作業用手袋の耐切創レベルの読み方|EN388のXとISO13997のA〜F
30秒でわかる要点
- EN388:2016のクープ試験は、回転する丸刃が50mmを往復し、貫通するまで切り続ける試験。
- 試験中に刃が鈍ると結果が正しく出ないため、その場合は「X」と表記される。
- Xの製品は、かわりにISO13997のA〜Fで評価が併記される。
- 2つの表記は試験方法が違うため、公式な対応表はない。同じ段に並べても同等ではない。
- 耐切創レベルが高い手袋ほど生地は厚くなり、指先の感覚は失われやすくなる。
作業用手袋の耐切創レベルには、EN388:2016のクープ試験による1〜5の数字と、ISO13997によるA〜Fのアルファベットの2種類があり、試験方法が違うため公式な対応表はありません。
作業用手袋のEN388のクープ試験と「X」表記
EN388:2016は、機械的な危険から手を守る保護手袋の国際規格です。耐切創性はクープ試験で測られ、回転する丸刃が50mmの距離を往復しながら、生地を貫通するまで切り続けます。切りにくい生地ほど往復回数が増え、レベルが上がります。
ところが、ステンレスワイヤーやアラミド繊維を使った高性能な手袋では、試験中に刃のほうが鈍ってしまい、結果が正しく出ないことがあります。この場合、クープ試験の結果は「X」と表記され、かわりにISO13997による評価が併記されます。
※参考:Ansell|EN388:2016 機械的危険から守る保護手袋 規格の改定(2026-08-20参照)
作業用手袋のISO13997のA〜Fは、クープの1〜5と同じではない
ISO13997(TDM試験)は、一定の荷重をかけた刃を一度だけ動かし、20mm切るのに必要な力を測る方法です。クープ試験のように何度も往復させないため、刃の鈍りの影響を受けません。結果はAからFのアルファベットで表され、Fが最も強くなります。
クープ試験の1〜5とISO13997のA〜Fは、試験の考え方そのものが違います。公式な対応表は存在しないため、「レベル5」と「レベルE」を同じものとして扱うことはできません。
本サイトの作業用手袋ランキングでは、この2つの表記を同じ段数に並べて採点していますが、これは順位を付けるための便宜であり、同等であることを意味しません。比較表には各製品の原文の表記もそのまま掲載しています。
| 製品 | 表記 | 読み方 |
|---|---|---|
| ショーワグローブ S-TEX 581 | EN388:2016+A1:2018/レベルE | ISO13997のTDM試験でE |
| ショーワグローブ S-TEX 300 | EN388:2016/X・D | クープはXでISO13997はD |
| ショーワグローブ S-TEX KV3 | EN388/耐切創X・引裂F | クープはXでISO13997の併記なし |
| ミドリ安全 カットガード132V | EN388/レベル3 | クープ試験のレベル3 |
※参考:ショーワグローブ|S-TEX 581 製品ページ(2026-08-21参照)
作業用手袋は耐切創レベルと指先の感覚が両立しない
耐切創レベルを上げるには、ステンレスワイヤーやアラミド繊維を編み込んで生地を強くする必要があります。その結果、生地は厚くなり、指先の感覚は失われやすくなります。板金やガラスを扱う作業では耐切創を優先し、結線や細かい部品の組み付けでは薄さを優先する、という選び分けになります。
生地の厚みはメーカーがほとんど公表していないため、本サイトでは編み目の細かさを表すゲージ数を代わりに使っています。数字が大きいほど糸が細く、生地が薄くなります。10ゲージは編み目が粗く、13ゲージ・15ゲージと上がるにつれて指先が利くようになります。
※参考:ショーワグローブ|S-TEX 300 製品ページ(10ゲージ・シームレス編み)(2026-08-21参照)
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本文で扱った条件を満たす製品です。順位の根拠は各カテゴリのページに、 配点は採点方法に公開しています。
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職種によって優先すべき条件は変わります。職種ごとの装備一式と概算費用は 職種別の一覧にまとめています。
よくあるご質問
作業用手袋のEN388の「X」はどういう意味ですか?
クープ試験の途中で刃が鈍り、結果が正しく出なかったことを表します。品質が低いという意味ではなく、むしろ切りにくい生地であることが多く、その場合はISO13997によるA〜Fの評価が併記されます。
作業用手袋の耐切創レベル5とレベルEはどちらが上ですか?
直接は比較できません。レベル5はEN388のクープ試験、レベルEはISO13997のTDM試験によるもので、試験方法が違うため公式な対応表がありません。同じ段に並べても同等であることを意味しません。
作業用手袋の耐切創レベルは高いほど良いのですか?
作業内容によります。耐切創レベルが高い手袋ほど生地は厚くなり、指先の感覚は失われやすくなります。結線や細かい部品を扱う作業では、レベルの低い薄手のほうが向きます。
作業用手袋のゲージ数は何を表しますか?
編み目の細かさです。数字が大きいほど糸が細く生地が薄くなり、指先の感覚が残ります。生地の厚みはメーカーがほとんど公表していないため、本サイトはゲージ数を薄さの指標として使っています。
作業用手袋のEN388は日本の規格ですか?
欧州発の国際規格です。日本のメーカーもEN388:2016に基づく表示を製品に載せていますが、6項目すべてを公表しているとは限らず、耐切創だけが記載されていることも多くあります。
参考文献
- Ansell|EN388:2016 機械的危険から守る保護手袋 規格の改定
- ショーワグローブ|S-TEX 581 製品ページ
- ショーワグローブ|S-TEX 300 製品ページ(10ゲージ・シームレス編み)
最終更新:2026-08-22